成田悠輔氏が起用されたキリン「氷結」の広告が、彼の過去の発言に対する批判を受けて取り下げられました。12日にキリンは公式X（旧Twitter）で一部広告の取り下げを発表し、その理由として「真摯に受け止めた様々なご意見」を挙げています。

成田氏は2021年、ABEMAの番組において少子高齢化問題についての発言が物議をかもしました。彼は「集団自決」のような考え方を示唆し、特に高齢者層の社会的役割について厳しい言葉を投げかけたことが、反発を招いた要因とされています。彼の発言は、日本人にとって戦争を連想させる内容であり、多くの人々がそのニュアンスを理解できなかったと言われています。

キリンの広告は、成田氏の知名度を利用して商品をプロモーションする狙いがあったとされていますが、過去の発言が広告のイメージに悪影響を及ぼすと判断され、取り下げに至った形です。広告を担当したキリンは「幅広い立場の方に語っていただくことを目的に企画したが、表現に関しては慎重に判断した」と説明しています。

今回の騒動は「#キリン不買運動」として広がり、SNS上では多くの意見が交わされました。成田氏は以前にもキリンの別のCMに起用されていましたが、その際には大きな反発はありませんでした。しかし、今回は彼の発言が改めて注目され、企業のブランドイメージに影響を与える結果となりました。

広告業界では、タレント起用の際の発言に対するリスク管理が一層重要視されることになるでしょう。今後、企業は広告に起用する人物の過去の発言や社会的影響を慎重に考慮する必要があると言えます。