女流漫才のパイオニア、今くるよさんが5月27日、大阪市内の病院で亡くなりました。彼女の死は、相方のいくよさんの命日と重なり、多くの人々に衝撃と悲しみを与えています。
今くるよさんは、1973年に相方のいくよさんと共に漫才コンビ「今行くよ来るよ」を結成し、長年にわたり日本の漫才界を牽引してきました。当時の漫才会は男性が中心でしたが、彼女たちのユーモアとエネルギーは多くのファンを魅了しました。特に、今くるよさんの持ちギャグ「どやさ」は、後輩芸人たちにも影響を与えるほど有名でした。
彼女は後輩への思いやりも忘れず、忙しいスケジュールの合間を縫って、衣装や食事をプレゼントするなどして支え続けました。また、人気絶頂期には多くのオファーを受けながらも、ファンを第一に考える姿勢が印象的です。彼女は「目の前のファンが一番大事」と語り、プロ意識の高さを示しました。
今くるよさんの漫才人生には多くの苦労がありましたが、その努力は1980年代の漫才ブームで報われました。彼女は、相方を失った後も舞台に立ち続け、その姿勢は多くの人々に勇気を与えました。最後の舞台では、車椅子に乗りながらも笑顔で観客を楽しませる姿が印象的でした。
今くるよさんは生前、「いくよがいてくれたから漫才ができた」と感謝の気持ちを語っていました。彼女の死は日本の漫才界にとって大きな損失ですが、彼女が残した笑いとエネルギーは、これからも多くの人々の心に響き続けることでしょう。今、天国で相方のいくよさんと再会し、再び漫才をしている姿を想像すると、涙が止まりません。心よりご冥福をお祈りいたします。